<前編のあらすじ>

定年を迎える60歳の会社員、夏目加奈子さん(仮名)は、1000万円の退職金の運用に頭を悩ませていました。

そんな時、信用金庫で勧められたのがスーパー定期と投資信託に半分ずつ預けるセット商品です。良い商品だからと夫にも勧めようとしたところ、「お前、本気でこんなの買うつもりか? 金融機関に鴨が葱を背負って来たと思われるぞ」と一蹴されてしまいます。

知識不足を痛感し、恥ずかしさと悔しさを感じた夏目さんは、夫の上から目線の助言を拒否。代わりに、自らファイナンシャルプランナーを探して学び始めることを決意しました。

●前編:「鴨が葱を背負って来たと思われるぞ」投資家気取りの夫にカチン…60歳女性が“経済音痴”脱却を目指し始めたワケ 

定年間際で感じたお金の知識不足

私はこの3月で定年を迎える60歳の会社員です。退職金の預け先を探す中で信用金庫から勧められた「スーパー定期と投資信託のセット商品」のからくりを知って愕然とし、もっとお金のことを勉強しなくてはと痛感しました。そこで、ファイナンシャルプランナー(FP)の永沢さんに退職金の運用や老後のマネープランについて相談してみることにしたのです。

永沢さんは先のスーパー定期と投資信託のセット商品について、自身のサイトにとても分かりやすい解説を書いていて、「この人なら信用できそう!」と思いました。私が「お金のことを何も知らない定年女子です」と書き送ったら「たぶん私も同級生です」と返事をくれたので、親近感も湧き、お会いするのを楽しみにしていました。

永沢さんの事務所での初対面は1月の中旬でした。丸顔の親しみやすい顔立ちが中学時代からの親友にどことなく似ていたこともあり、すぐに打ち解けて友達同士のようなトークになりました。