本連載ではFinasee読者から寄せられたさまざまな体験談をご紹介しています。今回のテーマは「自己流の投資哲学」。投資では教科書的な教えも大切ですが、時には経験を通して得た学びこそ心に深く刻まれることもあります。そこで本記事では、2人の投資家が自身の投資体験から何を感じ、どのような学びを得たのかを紹介していきます。成功と失敗の両方から得た貴重な教訓を、あなたの投資生活にぜひ役立ててください。

<前編記事の内容>
信用金庫からの案内をきっかけにNISAで投資を始めたゆうみみさん。長期投資を前提にしていましたが、ある事情からすべての資産を売ってしまいました。後悔しても遅かったと語るゆうみみさんは、自身の失敗を通して痛感したことがあったようです。

●前編:【NISAで長期投資をするはずが「想定外の事態」の連続で断念…60代女性が失敗から学んだ「1つの鉄則」】

アルバイトの収入と政府からの給付金で投資をスタート

シオンさんは大学生だった当時、アルバイトで得た収入や「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」として給付されたお金で投資を始めました。そこから時がたつこと4年、当時の選択を振り返って思うことがあるようです。また、暴落時に焦らず冷静な判断をするための秘訣についても教えてもらいました。

<シオンさんプロフィール>

男性、20代、関東地方在住
投資経験:国内株式、外国株式・外国ETF、外貨預金など
運用期間:5年未満

<投稿エピソード>

「大学生になりアルバイトを始めた途端、新型コロナウィルスが流行しました。世間は自粛ムード一色で、アルバイトで稼いだお金を使う機会もなく、そこに政府からの10万円給付も重なり、銀行預金だけが膨らんでいく一方。『このうちの半分が明日突然ゼロになってもいいかもな』と思い、この余剰資金を株式投資で運用することを決意しました。

これが私の投資人生の始まりです。あれから4年が経過し振り返ってみると、『実に賢い選択をした』とあの時の自分を褒めちぎりたい気持ちです。

コロナで大暴落した株式市場は、まさに絶好の買い場でした。当時、配当性向の高かった企業数社の株を買ってみたところ、1年後くらいには株価が2倍になりました。

コロナの影響で市場にあふれていた資金が株式市場に流入したことで、コロナ以前の水準をゆうに超えるほど日経平均は上昇。さらに、円安により外国人投資家が日本株を買ったことで、過去最高の日経平均を更新しました。

私の経験から言えることは、『暴落時は絶好の買い場である』と『余剰資金のみで投資する』の二つです。

暴落時に焦って売る方々がたくさんいますが、これはなぜでしょう。私が思うに、そういった方々は余剰資金以上の額を投資してしまっているのだと思います。ゼロになっても構わないと決めて投資した額であれば、心に十分の余裕を持って投資をすることが可能です。この余裕があれば、暴落時は売り場ではなく、買い場であるという冷静な判断ができるでしょう。

もし、保有している株価が暴落しても、それはゼロになっても良いはずのお金ですし、株価が回復するまで冷静に待てば良いだけです。余剰資金で心に余裕を持った投資をすることで、冷静な判断ができるようなりますし、ストレスなく資産を増やすことができるはずです」

※ご紹介している「」内のエピソードは原文に準拠しています