働かず資産を食いつぶすだけの金の亡者の行方

結局、その日は気まずい雰囲気のまま、何ら新しいプランを策定することなく支店を出た。原は、自分が金の亡者になってしまったように思えて落ち込んだ。退職して資産を取り崩して生活するようになったため、資産を効率よく配分し、節税にも気を配り、かつ、病気などをしないように健康にも気を配ることに努めようと思っていた。そうすると、毎日を恐る恐る生きているような気持ちになって、急に老け込んだように感じた。自分ひとりで作って食べることも味気なかった。そんな毎日は、ただ、退屈な時間だけが長々と続いていくような日々だった。いっそのこと、食事をとらずに、このまま人知れず死んでしまおうかとさえ思った。ところが、ある時を境に、そんな日常が一変した。それは……。

原の退屈な日常を変えたものとは? 後編「余計な一言」でトラブルになりがちな60代おひとりさま男性をアップデートさせた「資産の使い道」にて、詳細をお届けします。

※複数の事例から着想を得たフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。