<前編のあらすじ>
夫・幸平と共働きをしながら7歳の娘・雪を育てる美菜は、同期の弘子とのランチ中、元同僚がヨガインストラクターとして楽しそうに活動しているSNSを見た。その姿に触発された美菜は、インストラクター講座の体験会に参加することを決めた。
資格を取得したい美菜だったが、幸平に「30万も使うなんて意味ある?」と小馬鹿にされ、「雪の将来のためにお金は貯めないと」と一方的に話を打ち切られてしまった。
それなりに幸せな生活を送っているはずなのに、美菜の中には漠然とした不満があった。幸平の横暴な態度に、心のモヤモヤはますます大きくなっていった。
●前編【「よく分からない趣味に30万?」ヨガ資格取得を望む妻に夫が放った冷たい一言…妻が見た夫婦のいびつな関係】
弘子に相談する美菜
許可をもらえなかった美菜はそのことを昼休憩のときに弘子に話した。
「認めてくれないのはまだいいんだけどあの言い方がさぁ、すごいむかつくんだよね」
話を聞いた弘子は苦笑いを浮かべる。
「美菜がそんなに怒るなんて珍しいね。幸平さんってそんな分からず屋だっけ?」
「基本的に私がやることに何かと口出ししてくるのよ。そもそも私がヨガに行くことだって最初は引っかかってたもん。それ何の意味あんの? みたいな感じで」
モヤモヤした気持ちを抱えていると過去の幸平の嫌な言動まで美菜は思い出していた。
「でもねやりたいのならやらせてくれたらいいのにね。お金のことがそんなに気になる人なんだ。ケチなの?」
「全然。自分は好き勝手にお金を使ってるのよ。なのに私のやることにはとにかく何か文句を言ってくるの」
「そんな口うるさいなら勝手にやっちゃえばいいのよ」
「え?」
弘子の言葉に思わず聞き返す。
「別に幸平さんの許可なんて必要ないでしょ? 悪いことをやるわけでもないんだし。雪ちゃんだってもう手もかからなくなったんだから自由な時間は自分のことに使ってもいいはずだよ。美菜はずっと頑張ってきたんだから」
弘子に背中を押されたこともあり、美菜はヨガのインストラクター講座に応募をした。
お金のことなら美菜が自分の貯金から払えばいいし、何の問題もない。通うのも週1回ならば、家事や育児の負担にもならない。
1度思い切って飛び込んでみるとなんてことはなかった。そもそも幸平の許可を必要とするのがおかしかったのだ。
カリキュラムがスタートしてみると、これまではなんとなくでやっていた体の動きについて深く知ることができたり、ヨガ哲学についての講義で眠気を我慢しながらノートをとったり、仕事と家の往復だけでは味わうことができない充実感を味わうことができた。
