夫を無視して通い続けた講座

美菜は真面目に講座に通い続けた。幸平は相変わらず文句を言っていたが、美菜は口論することもなくその一切無視して資格を取ることだけに集中した。その結果、無事に資格を取得することができた。

スクールで全カリキュラムの終了証をもらった週明けの月曜日、いつもの公園で昼食を取りながら美菜は弘子に報告をした。

「インストラクターの資格を取ったんだ」

「……え? そうなの?」

「うん……それでね、仕事も辞めるつもり。まだ決まってるわけじゃないんだけど、スクールの先生に面接受けてみないかって誘われてて、それがうまくいったらインストラクターに転職するつもり」

美菜の話を聞いて弘子は目を丸くしながら質問してきた。

「……それよく幸平さんが許可してくれたね?」

「ううん、あの人には何も言ってない」

転職どころか、美菜は離婚をすると決めていた。幸平の横暴さにはもう付き合いきれない。雪のことを考えれば父親はいたほうがいいのかもしれないが、育児のすべてを素知らぬ顔で押し付けてくるような父親だ。いてもいなくても変わらない。

「いろいろあると思うけど頑張ってね」

美菜の表情から全てを察した弘子は笑顔で頷いた。弘子の言葉に美菜も同じような笑顔で返した。

「うん、またいろいろと相談に乗ってね」

それから弘子と美菜は最近見ているドラマの話をし始めた。

※複数の事例から着想を得たフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。