ようやく父の施設が見つかったものの……
妹に状況を確認すると、「あのケアマネさんはひどい。ご都合主義で全然父のことを考えてくれない」と逆にケアマネさんへの苦情をまくしたて、私にケアマネさんの交代を迫りました。私からその話を聞いたケアマネさんは、「お父さまの状態を考えると一刻を争います」と自ら身を引き、今度は新しいケアマネさんが施設探しをしてくれることになりました。
新しいケアマネさんと妹の間にもいろいろあったようですが、半月後には何とかオープン直前で欠員の出た老人ホームに父を入居させることができました。さすがに私も心配で無理に休みを取って父の顔を見に行きましたが、ホームでの父はニコニコしていて幸せそうでした。
大手企業が新規参入を視野に戦略的に作ったホームらしく、環境やスタッフの質も悪くなかったのですが、妹はまた「スタッフが挨拶しない」、「食事のレベルが低い」とケチをつけ始めました。
そして、私が「100点満点の施設なんてないんだし、お父さんにしてやってほしいことがあればスタッフの人に頼めばいいだろう」とやんわりなだめると、「お兄ちゃんは何もしないくせに」と烈火のごとく怒りだし、親戚中に「兄は忙しいからと父の介護を私に丸投げしている」と触れ回ったのです。
妹の身勝手はその程度では済みませんでした。
●父の死後、妹が預かっていたという父の遺言書の内容は衝撃的なものでした。後編【「お父さん、遺言書いて」妹が病床の父親に衝撃の指示。遺産独占をもくろむも「まさかの展開」に…】で詳説します。
※個人が特定されないよう事例を一部変更、再構成しています。