<前編のあらすじ>

66歳の昌行さん(仮名)は、妻の美咲さん(仮名、60歳)と暮らしながら、65歳以降も会社で働き続けています。しかし給与が下がり賞与もなくなったうえ、厚生年金保険料を払い続ける状況にため息をついていました。

そんな中、11月に届いた「年金決定通知書・支給額変更通知書」の内容がよく分からないまま12月15日を迎えると、振り込まれた年金が約2000円増えていました。

驚いた昌行さんが年金事務所で相談すると、職員から「今後も勤務し続ければ、毎年12月の振込分から増えることにもなります」と説明を受けます。

●前編:「想像していた老後とは違う」再雇用後は月給下がり賞与なし…それでも厚生年金保険料を払い続けた66歳男性が報われた日

在職中に年金額を毎年改定

65歳からの老齢基礎年金や老齢厚生年金は、65歳の前月までの加入記録で計算されて支給が始まります。昌行さんの場合は2024年11月で65歳になったので、2024年10月分までの年金加入記録で計算され、65歳になった月(11月)の翌月分(12月分)からその年金が支給されるようになります。

しかし、厚生年金の加入は70歳未満の人を対象としているので、65歳以降引き続き会社に勤務すると、厚生年金の加入を続けその保険料が毎月給与から控除されることになります。そして、働いて掛けたその厚生年金保険料は掛け捨てになりません。

2022年より在職定時改定制度が始まっています。これにより毎年9月1日(基準日)に厚生年金被保険者である場合、その前月(8月)までの被保険者期間を基礎に基準日の翌月分(10月分)から老齢厚生年金の額が増えることになっています。