遺産を手にした妻「人生をやり直したい」

世の中に、お金ほど罪作りなものは他にない。ロシアの文豪トルストイの短編小説の中に、そんな一節があります。嶋村宏明さん(仮名)の元妻も、お金に人生を狂わされた1人と言えるかもしれません。

10年ほど前に親族から6000万円を超える遺産を相続した元妻は、業界人のグループと付き合うようになり、暮らしぶりも目に見えて派手になっていきます。嶋村さんや子どもたちはそんな元妻の姿に違和感を覚えつつも、「人生をやり直したい」という妻の気持ちを尊重してきました。

しかし、嶋村さんは1年前に元妻からとんでもない事実を告げられます。元妻は遺産を全部使い切り、さらに借金まで重ねていたのです。思いがけぬ幸運だったはずの高額遺産が元妻を大きく変え、4人家族はバラバラになりました。

「遺産などもらわなければ良かった」と後悔する嶋村さんに、家族離散までの出来事を振り返ってもらいました。

〈嶋村宏明さんプロフィール〉

東京都在住
58歳
男性
会社員(中堅機械メーカー勤務)
一人暮らし
金融資産850万円

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全ての始まりは10年ほど前、妻が母方の伯母から巨額の遺産を相続したことでした。

妻はこの伯母に面差しが似ているところがあり、子どものない伯母から実の娘のように可愛がられていたそうです。ファッション業界で働いていた伯母は厳格な妻の両親とは対照的に好奇心旺盛で社交的な性格で、生前は私や子どもたちも含めて家族ぐるみの交流がありました。