中井今日子さん(仮名)は55歳の主婦。最近すごく理不尽に感じたこととして、郷里の檀家寺(※)への支払いを挙げます。実は中井さん、コロナ禍の2022年1月にお父さまを亡くしたのですが、家族葬だったにもかかわらず、葬儀のお布施に100万円を要求されたのだとか。
※檀家(だんか)によって支えられているお寺

事はそれだけでは収まらず、お父さまの一周忌を終えた後、都内の高齢者マンションに移り住んだお母さまがお墓を改葬しようとしたところ、今度はもっと高額の“墓じまい料”を提示されたそうです。

「お寺さんへのお布施の相場って、実際にはあってないようなものじゃないですか。具体的な費用の内訳も明かされないまま、7ケタの金額を請求してくるというのはやっぱりおかしい。政治も経済もこれだけ透明性が求められる時代なのに、宗教法人だけグレーのままでOKというのは納得できません」と怒りをにじませます。

高齢の親を持つ方にとっては人ごとでは済まされない話だけに、中井さんに檀家寺との詳しい経緯を話してもらいました。

〈中井今日子さんプロフィール〉

東京都在住
55歳
女性
専業主婦
会社員の夫、社会人の娘と3人家族
金融資産2500万円(世帯)

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きっかけは2022年の年初、実家の父が脳疾患で急に亡くなったことでした。父は前年の年末に82歳の誕生日を迎えたばかりでした。

生前父自身が「派手な葬儀は絶対に嫌だ」と強く希望していたこともあり、母や私と妹、それぞれの家族など親族10人ほどで家族葬を行いました。とはいえ、父は20年ほど前まで会社を経営していて地元のロータリークラブや商工会議所の役員を務めたこともあったため、葬儀の前には知人やかつての仕事仲間が50人近くいらして、お焼香をしてくださいました。