母親の墓じまいの提案に家族は大賛成

それもあって、父の一周忌を済ませた後、私や妹の家に近い都内の高齢者マンションに転居していた母から「お父さんのお墓をこちらに移したいと思うんだけど」と相談された時、私も妹も、一も二もなく賛成しました。

母は都内の名刹(めいさつ)に詣でた際、たまたま新しくできた納骨堂を見つけ、そこがいたく気に入ったようでした。「あそこのお寺さんなら、今日子も奈津子もおまいりしやすいでしょう? お父さんのお骨だけ遠くに置いておくのはかわいそう。私も正直、あのお墓よりはすてきな納骨堂に入りたいわ」

田舎のお墓に眠っているのは父だけです。父の実家に代々伝わるお墓は他県に別にあり、7人きょうだいの三男だった父は「自分たちの墓を用意しておかないと」と現役だった20年ほど前に墓地を購入し、お墓を建てていたのです。

母によると、2023年も檀家料としてお寺さんに3万円を納めたとのこと。「それ、もったいなくない? 一刻も早く墓じまいした方がいいよ」という妹の言葉に背中を押されるようにして、私たちは早々に納骨堂の手配を済ませ、春の彼岸にお墓まいりも兼ねて檀家寺にご挨拶にうかがうことにしました。

しかし、そこで提示された墓じまいの費用もまた、目の飛び出るような金額でした。

●これで手が切れると思いきや、墓じまいにかかる費用はさらに高額でした。続きは後編【「高額お布施」のお寺に不信感。墓じまいの依頼で請求された“とんでもない金額”は…】で詳説します。

※個人が特定されないよう事例を一部変更、再構成しています。