桑原桂子さん(仮名)は54歳の主婦。4年前から友人が経営するカフェで働いています。カフェは週4日閉店後に子供食堂を開いていて、毎日20人を超える児童が訪れます。家事が得意で子供好きな桂子さんは人当たりも良く、子供たちからも慕われているようです。

そんな桂子さんには、一人、強烈に印象に残っている子供がいます。美容外科医のお母さんを持つ瞬太君です。瞬太君は裕福な家庭にもかかわらず毎日のように子供食堂にやって来て、自己チューな振る舞いで下級生から恐れられていました。

そんな瞬太君には他の親御さんからも苦情が寄せられ、桂子さんはオーナーに代わって瞬太君のお母さんに会うことになるのですが……。

瞬太君のお母さんから浴びせられた衝撃的な言葉と、その後瞬太君に起きた劇的な変化。桂子さんが「彼のことはずっと忘れないと思う」と振り返る瞬太君との思い出を語ってくれました。

〈桑原桂子さんプロフィール〉

東京都在住
54歳
女性
パート
会社員の夫と2人家族
金融資産1500万円(世帯)

子育てが一段落し、コロナ禍前から地元の子供食堂の手伝いを始めました。子供食堂は私の親しい友人が経営するカフェが運営母体になっていて、営業はカフェの定休日(月曜日)と祝日を除く毎週火曜日から金曜日の17~20時。

小学生から中学生までの子供は無料で晩ご飯が食べられ、カフェの中で宿題をしたり、ゲームをしたり、テレビを見たりして自由に過ごすことができます。