<前編のあらすじ>

主婦の中井今日子さん(仮名・55歳)はコロナ禍でお父さまを亡くし、葬儀や相続などの手続きに追われました。葬儀後、檀家寺に高額なお布施を請求されたことに驚きましたが、その後の墓じまいで驚くべき費用を提示されたと言います。一連の出来事で感じた理不尽な思いを、中井さん自身に語ってもらいました。

●前編:【遺族が絶句!“言い値”で決まるお布施が「あまりに高すぎる」田舎の寺の理不尽な要求】

不信感が募り「墓じまい」を決意

コロナ禍の2022年1月に実家の父が急死した後、私と妹は葬儀や相続などの手続きに追われました。父の強い希望で葬儀は親族だけの家族葬にしましたが、驚いたのは、その際のお布施として檀家寺から100万円を要求されたことです。

前年、都内で親の葬儀を出したママ友から、「お坊さん便を頼んだら、お布施は17万円で済んだ」と聞かされていたので、田舎のお布施はこんなに高いのかと驚いたものです。

残された80代の母は心臓に持病があり、実家に一人で置いておくわけにはいかないので、同年の夏には実家を売りに出し、私や妹の家から近い都内の高齢者マンションに入居してもらいました。

2023年に檀家寺で父の一周忌を執り行った後、その母から「お父さんのお骨だけ遠くに置いておくのはかわいそう」と都内の名刹(めいさつ)の納骨堂への改葬を相談されました。高齢者マンションのお友達と都内の名所巡りに出掛けた際、たまたま立ち寄り、新しくできた納骨堂を見つけて気に入ったようです。

私も妹も葬儀の一件で檀家寺への不信感があったので、母の申し出は渡りに舟でした。聞けば檀家寺には今年の分も年間3万円の檀家料を納めているとのことで、妹が「それ、もったいなくない? 一刻も早く墓じまいした方がいいよ」とせっつき、私たちは慌てて納骨堂の手配を済ませ、春の彼岸にお墓まいりも兼ねて檀家寺にご挨拶にうかがいました。