提示された驚きの費用

ご住職は「20年来のご縁ですから、それは大変残念ですね」と言いつつも、こちらの事情をくんで離檀(※)や改葬を了承してくれました。しかし、その際に提示された離檀料や閉眼供養のお布施、お墓の解体・撤去費用がまた、300万円というとんでもない金額だったのです。

これにはさすがの母も驚いたようです。「大変お恥ずかしい話ですが、今は私の高齢者施設への入居金などで何かと物入りでして、いったん持ち帰って検討させてください」とその場での即答は避けました。
※檀家を離れること

300万円は相場通り? 檀家仲間に尋ねて分かった事実

東京に戻った後、母は親しい檀家仲間に電話をかけまくり、墓じまいの費用の相場を尋ねたようです。

足元を見ているのか、はたまた懐具合を探っているのか、提示される費用は人それぞれだったようですが、その際聞こえてきたのは「あそこのお寺さんは代替わりしてから高額のお布施を要求してくるようになった」とか、「先代はお盆の檀家回りも暑い中自転車をこいで来てくれたのに、今の住職はタクシーで乗り付ける。街の有力者と連日飲み歩いているらしい」といった芳しくない評判ばかりでした。