「子どもができた」保高さんの衝撃の告白
月日がたったある日のこと。
「最期のときまで一緒に暮らしていく」
そう思い込んでいた絵理さんに、衝撃的な出来事が起こりました。保高さんと別の女性との間に子どもができたのです。
きっかけは、保高さんの母親の入院でした。親身にお世話をしてくれた看護師さんを気に入り、この人こそが保高さんのお嫁さんにふさわしいと声をかけたとのこと。50代後半にもなって「今さらお見合い?」と後ろ向きな保高さんでしたが、親の頼みを無視するわけにはいかず。しぶしぶ会ったはずの看護師さんと意気投合し、絵理さんに隠れてお付き合いが始まったそうです。
突然すぎて呆然としている絵理さんに、「あなたとは同居していただけ。子どもができたんだから仕方ないだろ」と言い放ち、何事もなかったように荷物をまとめて出ていきました。
同居なら関係解消は問題ないのか?
たしかに籍は入れていないし、子どもに父親はいるだろう。でも、保高さんの父の葬儀で親族席に参列した事実もある。
「2人の暮らしは単なる同居? 事実婚じゃなかったの……?」
釈然としない気持ちを整理するため、友達から紹介された離婚に強い弁護士さんを訪ねてみました。弁護士からは、同棲は「婚姻の意思を持たずに一緒に暮らしている状態」であるのに対し、事実婚は「婚姻の意思があって生活を共にしている状態」とのこと。
実は一度、絵理さんの両親に「いずれは籍を入れるつもりです」と2人揃って挨拶に行ったことがありました。そのことを思い出して弁護士に話してみると、慰謝料請求は可能であるということでした。
ただ、絵里さんの願いは関係の修復。
「慰謝料請求なんてしたら、本当に別れることになる」
踏ん切りがつかない中、追い打ちをかけるように、保高さん名義で借りているマンションから退去を迫る手紙が届きます。
●50代で突然迫られた自立。残された絵理さんの生活はどうなるのか? 後編【事実婚を解消した50代・派遣社員の女性…その後の人生を照らした「2つの対策」】で詳説します。