<前編のあらすじ>

有本絵理さん(仮名)は派遣社員として働く52歳の女性です。新入社員の時に同じ職場の先輩だった藤堂保高さんと交際して、30年間一緒に暮らしてきました。

しかし、「最期のときまで一緒に」と考えていた絵理さんとは反対に、保高さんには結婚に踏み切る覚悟がなかったようです。ある日突然「別の人との子どもができた」と言ってマンションを出て行ってしまいました。絵理さんはこの先の人生をどうすべきか分からず、FPの筆者の元へ相談に訪れました。

●前編:【30年の「事実婚」生活に突然の終止符…52歳女性が相手に告白された「衝撃の内容」】

予算をたてて見えた自立への道筋

実家生活から、保高さんの住むマンションに転がり込んだ絵理さん。これまで一人暮らしすらしたことがありません。不動産会社から「賃貸契約が切れるので、ひと月以内に退去を」と言われてもどうすればいいか見当がつかず、筆者のもとを訪ねてこられました。

そこで、まずは一人暮らしのイメージをつかむために、手取り収入に合わせた1カ月の予算を考えました。

<絵理さんに提案した1カ月の予算>

●収入(手取り) 18.5万円

●支出 17.1万円
 家賃・・・6万円 ※絵理さんは関西地方在住
 食費・・・4万円
 水道光熱費・・・8000円
 通信費・・・8000円
 日用品費・・・5000円
 交際費・・・5000円
 雑費・・・5000円
 美容費・・・1万円
 貯蓄・・・3万円

●差額  1.4万円

絵理さんは派遣社員。次の更新があるか分かりません。また、退職金がないことも不安です。そのため、支出の大半を占める家賃を極力抑え、貯蓄がしっかりできるような予算を組んでみました。差額は余裕資金として貯めていきます。急な出費があっても貯蓄を切り崩さずに済むので、ストレスを感じず使えます。

この他、引っ越し代と新居の敷金・礼金、電化製品の購入など100万円程度の臨時費用も必要でしょう。