年金額は自分の過去の働き方を反映している

本題である老後の収支に話を戻しますと、カギとなるのは郁美さん自身の年金です。

そこで、年金額を確認しました。50歳以上になると「ねんきん定期便」には、年金の見込み額が記載されています。郁美さんは「本当に、こんなにもらえるんですか?」と、言います。定期便に書かれている金額を月額換算すると約13万円でした。この金額は60歳まで今の給料や働き方が続いた場合の年金額ですから、前提が変わると金額も変わります。

郁美さんは、「うちの親は年金が7万円くらいなので、私自身もその程度かと思っていました。思っていたより多くて安心しました」と言っていました。年金額は過去の働き方や年収が反映されていますから、金額は人によって全く異なります。

郁美さんが多いと感じたのは、郁美さんが今まで会社員として長年働いてきたからに他なりません。家事と育児をこなしながら働くことで、ご自身の年金を作り上げてきたのです。郁美さんは、先述の通り、年金分割に期待をされていましたが、年金分割では、生活が大きく改善するような金額にならないのが一般的です。それゆえ、いかに自分自身の年金を自分で作ることが重要なのです。今回、郁美さんは、それができていたことが老後の安定した基盤ができつつある大きな理由でした。