支出を削ることなくして、家計の立て直しはできない

支出についても長い目で見る必要があります。夫婦揃って「贅沢はしていないので削れる支出はありません」と言います。佐藤さんの手取りは33万円、中でも家賃と駐車場代で18万円かかっていて、さらに車の維持費等などを考えると家賃と車だけで月20万円ほどの支出があります。

車は歩行機能に障害があるお子さんにとって必須とのことですから、車の支出は仕方ないとしても月6万円分の児童手当を自分の小遣いとして使っていることを含め、他の支出においても削れるところはないなら、立て直しすることはできません。支出を削りたくない人は、支出を削れない理由を並べますが、このままだと10年後どうなっているでしょうか。さらに、これから10年間にかかる費用にどのようなものがあるでしょうか。

まず、高校生と中学生のお子さんの進路問題があります。高校生のお子様は、進学か就職かまだ決まっていないと言うものの、先日、模試を受けたいと言われたそうです。ところが、模試代に1回4000円かかるため、今回は諦めてもらったと奥様は心苦しそうに言いました。

進学するなら受験費用だけで数万〜数十万円かかりますし、受験せずに進学はできません。せめて、これから10年以内にかかるお金程度は把握して準備しておきたいものです。佐藤さんに「模試を受けたいと言った子に、お金がないから就職しかないという選択をさせてしまっても良いですか」と質問したところ「確かに未来のことを考えたことがなかったなぁ」と考え込んでしまいました。