<あらすじ>

奈津子さん(57歳)はパートで働く主婦。長年扶養の範囲内で働いていましたが、パート先から勤務時間を増やし、厚生年金にも加入してほしいと打診されました。

「いまから厚生年金に加入したところで、年金額は大して増えない」と思っていた奈津子さんでしたが、とにかく一度相談してみようと思い、年金事務所を訪れました。すると……。

●前編:「月収は15万円に増えるけど…」パート先から勤務時間増加を打診された57歳女性がいまいち納得できない理由

「たった12年間では大して増えない」と思っていたが…

早速、年金事務所の窓口で奈津子さんは質問しました。「もうじき58歳になるので、これから社会保険に加入すべきか迷っているんですが、月給15万円で58歳から70歳まで、たった12年間厚生年金に入ったところで、支給される年金額は大して増えませんよね?」と尋ねます。

これに対して職員からは「扶養に入ったままだと65歳から年間85万円。その月給15万円の条件で厚生年金に入った場合、65歳の頃には年額17万円増えて合計102万円。そして、70歳の頃には年額32万円増えて合計117万円になりますね」とのことでした。

「あれ? 意外と増えている気が。そんなに増えるものなんですか? 基礎年金は40年あればそれ以上は増えないはずで、厚生年金だけ増えると聞いていたのですが……」と疑問を持ちます。

職員によると「基礎年金相当額は65歳時点で45年分、70歳時点で50年分が受けられますよ」とのこと。奈津子さんが思っていたより年金額は増えそうです。ではなぜ、想像より多かったのでしょうか。そして、40年で満額になる老齢基礎年金のはずが、なぜそれよりも多くなるようなことが言われたのでしょうか。

老齢基礎年金は40年で満額

20歳以上60歳未満の40年間は国民年金に加入義務があります。老齢基礎年金は20歳以上60歳未満の40年(480月)の「保険料納付済期間」があれば満額(2025年度:1956年4月2日以降生まれの場合は83万1700円)を受給できることになります。

①国民年金の第1号被保険者として国民年金保険料(2025年度:月額1万7510円)を納付した期間、②会社員等厚生年金に加入により国民年金の第2号被保険者だった期間、③国民年金の第3号被保険者だった期間、これらは保険料納付済期間に含まれます。

奈津子さんの場合、短大生時代の国民年金保険料を納付した期間は①に、短大卒業後結婚前の会社員期間は②に、結婚後扶養に入っていた期間は③になります。

第3号被保険者は20歳以上60歳未満が対象ですが、このまま60歳になるまで第3号被保険者であった場合でも、①②③の合計で40年に達し、老齢基礎年金は満額になります。