<前編のあらすじ>

高尾香菜さん(仮名・27歳)は、幼少期から母親の過干渉で自己肯定感を失い、理解者である叔母(63歳)の勧めで、大学卒業後は実家を出て医療事務として働き始めました。

しかし、職場のストレスからうつ病を発症。退職を余儀なくされ、行き場を失った香菜さんは叔母の家に身を寄せることになりました。

●前編:【「自分は価値のない人間なのかもしれない」毒母の過干渉に潰された27歳女性…逃げ出した先に待っていた“もう1つの地獄”】

迫る傷病手当金終了の恐怖

叔母の家に移り住むことになった香菜さん。叔母の支援もあり、だいぶ落ち着きを取り戻すことができました。それでも正社員で働けるまで回復することはありませんでした。このまま傷病手当金が終了すると香菜さんは無収入になってしまいます。そこで香菜さんは叔母と話し合った結果、障害年金の請求をすることに決めました。

叔母から事情を伺った筆者は、障害年金の説明をすることにしました。

香菜さんがうつ病で初めて病院を受診した時は正社員(厚生年金に加入中)だったので、障害厚生年金の請求をすることになります。

叔母によると、香菜さんは20歳から大学を卒業するまで学生納付特例を利用し、就職した後は厚生年金に加入していたとのこと。すると香菜さんには年金の未納期間が多すぎることはないので、障害厚生年金の請求権利は発生します。