受給のカギは「日常生活の困難さ」を証明する7項目

金額を確認した叔母は言いました。

「傷病手当金に比べれば少なくなってしまいますが、だいぶ助かります。それで、香菜は障害厚生年金がもらえるものなのでしょうか」

「障害厚生年金が受給できるかどうかは、医師の作成する『診断書』と本人または親族や代理人が作成する『病歴・就労状況等申立書』の記載内容によるところが大きいです。精神疾患の診断書では『その障害により日常生活がどの程度困難なのか?』を証明する欄があります。日常生活の困難さは次の7項目になっています」

①適切な食事
②身辺の清潔保持
③金銭管理と買い物
④通院と服薬
⑤他人との意思伝達及び対人関係
⑥身辺の安全保持及び危機対応
⑦社会性

筆者は説明を続けました。

「まずは香菜さんがどの程度の困難さを抱えているのか? 項目ごとに具体的なエピソードを文書にまとめましょう。それを主治医に確認してもらい、診断書を作成してもらうようにしましょう」

「7項目あることは分かりましたが、それらをどのようにまとめればよいのでしょうか」

「香菜さんの同意が得られれば、私がお手伝いすることもできます。具体的には、まず私が質問をしますので、それに回答していただきます。その回答をもとに私の方で下書きをしますので、さらに加筆修正をしていただく。このような流れで文書を作成することができます」

「その方法なら何とかできそうです。香菜にも話をしてみます」

叔母はそのように答えました。