浮き彫りになった日常生活の難しさ
筆者との面談後、叔母は香菜さんに事情を説明。香菜さんから同意を得られました。叔母は平日にパートで働いているため、筆者とのやりとりは主にメールですることになりました。
さっそく筆者は適切な食事についての質問を叔母にメールしました。その後、何度かのやりとりを経て適切な食事の状況をまとめました。その内容は主に次の通りです。
『香菜さんはうつ病のため気力が湧かず、簡単な自炊すらできなくなってしまいました。
食事の用意をするのがおっくうなので、叔母が用意したものを食べています。
体調がすぐれない時は1日1食になってしまうこともあります。
叔母が仕事で忙しく食事の用意ができない時は、カップスープや総菜パンなどで済ませています。仮に一人暮らしになった場合、自分ではバランスの取れた食事を用意することが難しく、食事を抜いてしまう可能性も十分あり得ます』
その後も叔母と筆者はやりとりを続け、香菜さんに関する文書を作成。その文書を主治医に渡すとともに診断書の依頼をしました。
そして診断書を入手した筆者はその他の必要書類もそろえ、障害厚生年金の請求をしました。
ようやく見えた再スタートまでの道のり
請求から3カ月がたった頃。叔母から「無事、障害厚生年金の3級が認められた」との連絡がありました。
無収入の恐怖から解放された香菜さん。とはいえ、香菜さんには「いつまでも叔母の家でお世話になっているわけにもいかない」といった気持ちがあるようです。障害厚生年金を受給しながら障害者雇用で働くことを目標に掲げました。香菜さんは体調が比較的よい日に、就労移行支援先を探すようになったそうです。
障害厚生年金の受給を足掛かりに次のステージに向けて動き出すようになった香菜さん。叔母からの報告を受け、筆者もほっとした気持ちになりました。
※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。
