将来より現在の安定を選択した華恵さん

話を聞いた華恵さんは「そういう事情があったのか……これからいろいろと制度が変わるのね。まぁ、65歳からの老齢年金もそろそろ気になってくる年齢になってきたけど、夫が他界したばかりで遺族厚生年金を含めた今のお金のほうが大事だし、将来の老齢年金の繰下げのことなんて考えたこともないなぁ。そっちはもう65歳開始でいいかな……」と思い、そのまま遺族厚生年金の請求をしました。華恵さんは老齢厚生年金の繰下げより56歳から支給される遺族厚生年金を優先したことになります。

年金制度改正法での改正項目のうち施行がまだ先のものも多いですが、将来改正後の制度の対象になりそうな場合もあります。遺族厚生年金受給権者の老齢年金の繰下げ可否については、いつ65歳になるか、いつから遺族厚生年金が受給できるようになるか、65歳以降も遺族厚生年金が受給できるかどうか、などによって条件が変わります。遺族厚生年金を受けられるようになった際はその点の確認もポイントになるでしょう。

※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。