家族手当と表現される配偶者加給年金。配偶者がいるかどうかだけでなく、配偶者の年金加入記録によってその加算の有無が変わります。夫に加算されるケースで、妻が自分の年金を繰上げ受給するとどうなるのでしょうか。

59歳主婦が年金繰上げの検討を始める

恵美さんは現在59歳。パートで働きながら厚生年金に加入中で、少なくとも65歳になるまでは働く予定です。過去の会社員の期間を含めると、現時点で厚生年金には合計19年程度加入しています。一方、夫の康之さん(69歳)は既に退職し年金生活を送っています。

恵美さんは将来年金を65歳から受給できることになります。「昔は60歳から受給できたのに、私の世代からは65歳開始か……」と思っていたところですが、そんな中、年金の繰上げ受給について知ります。

繰上げ受給は本来の支給開始年齢(恵美さんの場合は65歳)から受給する年金を前倒しで受け取れる制度ですが、その分減額されます。60歳になれば繰上げ受給ができるようになり、1カ月繰上げにつき0.4%減額されるため、65歳開始の年金を60歳0カ月の時に5年(60月)繰上げで請求すると、24%(0.4%×60月)減額されることになります。