売上の激減、そして仲間の裏切り

コロナ禍に入ると、客数は半分以下、休業や時短営業が続き売上は激減してしまいました。補助金やコロナ融資でしのいでいましたが、コロナ禍が明けるとその支援も打ち切られ、資金繰りが一気に悪化していきました。

コロナ禍に入った頃から売上の激減を目の当たりにしながら危機感を感じていた高橋さんは、どこか他人事のように考えている経営メンバーに苛立ち、理不尽に怒鳴ることもあり、業績の悪さへの対応や追加資金の拠出を要求していました。

そんな関係性が続き、コロナ禍が終わり飲食店に客足が戻り始めた頃には2人の役員とはケンカ別れしていたのでした。

そして、全体を管理し、事実上の経営者となっていた吉田さん(仮名)には特に業績の責任を問い詰めていたのでした。仲間と夢見たはずの新事業が、いつしか信頼よりも責任の押し付け合いに変わっていったのです。

●高橋さんは起業によって、仲間もお金も失っていきます。吉田さんとの関係はどうなるのでしょうか? 後編【仲間から“裏切りの提案”を受け入れ 、店を手放し派遣社員へ転落した52歳経営者の「後悔」】で詳しく紹介します。

※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。