年収800万円でも遺族基礎年金139万円を受給できることが判明

瑞季さんが亡くなったことによって何か支給されるお金はないかと調べたところ、遺族年金のことを知ります。「遺族基礎年金は母子家庭だけでなく、父子家庭でも対象になるのか……」とその制度について確認します。しかし、ここで「支給されるのは生計を維持されていた遺族」であることを知ります。

これを見て卓斗さんは「瑞季は自分の扶養に入っていたから、自分の収入で生計を維持されていたことになるはず。逆だったら支給されそうなのはわかるけど……。そうなると、自分は瑞季に生計維持されていないことになって遺族年金は出ないのかな……」と思います。

卓斗さんは気になって年金事務所へ足を運び、窓口の職員から説明を聞くことにしました。まず、遺族年金には遺族基礎年金と遺族厚生年金があることから説明されましたが、瑞季さんの年金記録や亡くなった当時の状況からして、遺族厚生年金は対象になりません。そして、卓斗さんは職員に年収を聞かれ、800万円程度であることを伝えます。すると、遺族基礎年金については18歳年度末までの子どもが3人いることから対象になるとのことでした。

「妻は収入も少なく、自分の扶養に入っていて、逆に自分は年間800万円の収入があったのですが、それでも遺族基礎年金の対象になるのですか?」と疑問に思います。しかし、このことについての職員からの回答は「大丈夫です。お子さんは3人、遺族基礎年金として年間139万円程度支給されますよ」とのことでした。遺族基礎年金が支給されるその具体的な条件はどのようになっているのでしょうか。

●卓斗さんが疑問に思った「生計維持」の本当の意味とは? そして2028年から始まる制度改正で支給額がどう変わるのか? 後編【3人の子を1人で育てる不安が軽減…妻を亡くした40歳会社員男性、年収800万円でも遺族基礎年金の対象になったワケ】で詳説します。

※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。