63歳以降は退職のタイミングでも再計算される
では、退職の時点で年金が増えることはないのか、というとそうではありません。早織さんに63歳以降のことについても説明されます。「63歳以降、再び厚生年金に加入した場合は退職した時か65歳になった時に再計算されます。また、65歳から70歳までの在職期間中の年1回に再計算されるルールもありますし、厚生年金は70歳未満の人を対象にしていることから、加入が終わる70歳になるタイミングでも再計算されることになります」とのこと。63歳以降は63歳前と異なり、退職時点でも再計算されることが伝えられました。
なお、繰上げして以降の厚生年金加入期間分の老齢厚生年金については繰上げによる減額率は適用されません。
お知らせを待ちつつ再び仕事も探し始める
「63歳まで待たないといけないのか……けど、とりあえず保険料が掛け捨てにならないのは安心」と、年金の再計算の仕組みが理解できました。そして、まだ年金が増やせることから同時に再び厚生年金に入れるような仕事を探すことにしました。
繰上げ受給をしていても、70歳になるまでに厚生年金に加入対象となるとその保険料が発生します。掛けた厚生年金保険料は掛け捨てにはならず、再計算の際にその分受給する年金は増えますが、繰上げしている場合は再計算のタイミングが繰上げしていない場合と比べ少々複雑になっています。繰上げするかどうかにかかわらず、再計算の時期を事前に知っておけば、将来の予測もしやすくなることでしょう。
※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。