無事2級認定…それでも消えない母親の後悔

母親からの聞き取りをメモし終えた筆者は言いました。

「今お話しいただいたようなことを、先ほどの7項目ごとにまとめていけば大丈夫です。ご長女さまの同意が得られれば、私が医師に渡す参考資料と病歴・就労状況等申立書を作成することができます。ご安心ください」

「それはとても助かります。私たち家族だけではできそうもないので、ぜひお願いしたいです。長女にもそのように伝えてみます」

面談後、友恵さんからの同意を得た筆者は、母親からのヒアリングを繰り返し、文書を作成していきました。その後、診断書も入手した筆者は、障害基礎年金の請求を完了させました。

障害年金の請求から約3カ月がたった頃。母親から「無事に障害基礎年金の2級が認められた」との報告を受けました。

母親から友恵さんの近況も伺うと「病状は悪化したままで改善の見通しはまったく立っていない。日常生活もままならない」といった状態にあるとのことでした。

母親は最後に言いました。

「本当なら長女をもっと早く受診させていればよかったのかもしれません。でも、それはなかなかできませんでした。一体何をどうすればよかったのか。答えは今も見つかっていません……。こんなことになってしまったので、私の体が動く限りは長女を支援していくつもりです」

その声には母親の自責の念と暗い決意の響きがありました。

※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。