<前編のあらすじ>
山岸友恵さん(仮名・35歳)は、中学2年生の時に不登校となり、そのままひきこもり生活に入ります。母親(66歳)は娘の将来を案じ、通信制高校への進学や病院への受診を勧めますが、友恵さんは頑なに拒否。
「長女の病状がかなり悪化するまで、私は何もできませんでした……」。母親は、藁にもすがる思いで訪問支援を依頼しますが、友恵さんとの接触は叶いませんでした。その後、友恵さんは妄想や幻聴に苦しむようになります。
状況が好転しないまま10年が経過。ある夜、幻覚でパニックになった友恵さんが自宅から逃げ出してしまいます。
●前編:【「部屋の中に誰かいる!」ひきこもり歴20年、35歳女性に異変…家中に叫び声が響き渡った「深夜の緊急事態」】
「月7万4000円」親子を救う障害年金という光明
通院先の主治医と相談した結果、友恵さんは障害年金の請求を検討することになりました。
筆者は障害年金の説明をするため、母親からさらに聞き取りをすることにしました。
友恵さんが統合失調症で初めて病院を受診した時は国民年金に加入中とのこと。さらに友恵さんの国民年金は20歳からずっと納付猶予をしていたため、未納状態ではないことも分かりました。以上のことから、友恵さんは障害基礎年金を請求することになります。
障害基礎年金は1級と2級があり、より障害状態が重い方が1級となっています。仮に障害基礎年金の2級に該当した場合、金額は次の通りです。
障害基礎年金 6万9308円
障害年金生活者支援給付金 5450円
合計 7万4758円
※いずれも月額換算で2025年度の金額