1500万円で企業買収。代表取締役に就任

大手商社に30年以上勤務してきた佐々木直樹さん(仮名・57歳)。年収は1000万円を超えるエリートサラリーマンでした。あるとき、付き合いのあったM&A仲介会社から地方都市にある従業員10名ほどの小さな製造会社を紹介されました。

M&A仲介会社からは「大手メーカー子会社の下請けで安定した売上があり、経営も順調。ただ社長が高齢で、後継者がいない」と聞き、M&Aを勧められました

佐々木さんは中小の製造業と大企業の間に入り、商品開発に関わってきたので、社長になってもやっていく自信を持っていましたし、老後の収入も確保できると考え、即断。退職金と貯金を元手に会社を買収し、妻とともに地方へ移住しました。

「社長夫人になるなんて、まるで夢みたい」

近くには温泉地もあり、食べ物も美味しい地方に行けることで妻も楽しみにしていました。しかし、現実は甘くなかったのです。

●社長となった佐々木さんは、この先も順風満帆に進めるのでしょうか? 後編【「こんなはずじゃなかった」元エリート商社マンが1500万円で買ってしまった“悲劇の連鎖”】では、リアルな買収劇のその後をお伝えします。

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