「払わなくてもいい時代」を経験した父からの意外な助言

親に頼らず自分の年金は自分で何とかする考えの諒一さんですが、以前「学生時代の国民年金保険料は社会人になったら払ったほうがいいのかな。10年以内なら払えるようだけど」と父・雅史(60歳)さんに話していました。

すると、その時雅史さんは「そうか、猶予してもらったら10年以内に払えるのか。自分が学生の頃は国民年金に加入する義務がなかった。だから、そもそも保険料を払わなくてもよかったんだよな。今からじゃ、40年くらい前の学生時代の保険料は払えないし」という話をされました。諒一さんは「え? そもそも払わなくていいなんて、うらやましいな」と思います。

しかし、年金の受給が現実のことになりつつある年齢の雅史さんは「いや、払ってなかったせいで、65歳からの老齢基礎年金が満額で受けられないことになるんだ。65歳から年金生活を始めて、その年金生活が長くなると、金額がその分少なくなるのは結構響きそうなんだよな。まぁ、当時の学生は国民年金への加入が任意だったから、仕方ないんだけど。だから保険料を払えるなら払っておいたほうがいいんじゃないか」と助言します。

諒一さんは「年金制度は将来どうなるかなんて誰にもわからないけど、さすがに払っていた人を払ってない人よりは有利に扱うはずだし、払っていれば将来年金の受け取りが気になり始める頃に学生時代の保険料のことを考える必要もなさそうだな……」と思うようになっていました。

●諒一さんが知ることになった学生納付特例の追納のメリットとは? 後編【年金制度は将来どうなるか分からないけど…22歳新入社員が学生時代の“国民年金保険料の追納”を決意したワケ】で詳説します。

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