「雇用保険の給付と年金は同時に受けられない」という話を耳にすることもあるでしょう。年金を受けられる人が退職後に再就職を考えている場合は気になるところですが、どこまで本当なのでしょうか。

65歳を過ぎても働きたい恵一さん

恵一さん(仮名、65歳)は、妻の綾子さん(仮名、61歳)と暮らしていました。64歳から65歳までは特別支給の老齢厚生年金(特老厚)が受けられ、65歳になってから老齢基礎年金と老齢厚生年金を受け取るようになっています。大学を卒業して以来、長く会社員を続けていたため、平日は仕事をするのが当たり前の人生。65歳を過ぎてから給与が大幅に下がりましたが、勤務を続けています。

しかし、今の会社との雇用契約はまもなく66歳になると満了することになり、その時点で退職することが決まっています。恵一さんは「65歳以降は、65歳前と比べると年金が多く受け取れるようになるけど、年金収入だけでは十分ではないな。それに仕事を辞めると何もやることがなくて暇を持て余すのは目に見えている。働く体力のあるうちは働いて稼ぎたい」と再就職の意欲を見せています。

そんな中、恵一さんは退職後に失業給付を受けられることを知ります。「雇用保険料が今まで毎月のように給料から引かれていた。幸い今まで失業なんてしたことなかったけど、退職後仕事を探しても見つからない場合は失業給付が受け取れるのか。それはいい制度だな」と興味を持つようになっていたところです。