結婚して以来、義理の家族との親戚付き合いがうまくいかず悩みを抱えることもあるでしょう。配偶者が他界した後、死後離婚により義理の家族との関係を終了させることもできますが、遺族年金を受給している場合はどのような影響があるのでしょうか。

結婚以来続く義家族との確執

顕子さん(60歳)は夫・郁夫さん(63歳)と暮らしていました。郁夫さんは40年以上会社員を続けています。同じく会社員をしている息子の祐也さん(31歳)は別で暮らしています。

顕子さんも祐也さんもずっと都心に近いところで生まれ育ったのに対し、郁夫さんは地元の大学を卒業して就職するまでは地方の農村部で育ってきています。郁夫さんはかつて、「都会での暮らしも慣れたけど、ちょっと飽きてきたところもあるし、リタイア後は地元での生活もいいな」と、将来退職した後は帰郷することも考えていました。

これに対して顕子さんは大反対していました。顕子さんは結婚以来、郁夫さんの地元で暮らす義母(郁夫さんの母)や義姉(郁夫さんの姉)らと考えや価値観が合わず、親族の集まりなどを苦痛に感じることもありました。ずっと我慢をしつつも、育った環境や風習の違いなどを感じ、「どうもついていけないな……」と郁夫さんにこぼすこともあり、それを郁夫さんがどうにか収めるようなことの繰り返しでした。

顕子さんの反対もあってか、郁夫さんは将来帰郷する考えについては改めることにしました。