祝い方をめぐり勃発した義姉vs義妹のバトル
とはいえ、合格の話を聞いた以上は無視できず、夫が義兄に電話しておめでとうと伝えると同時に、週末に実家に行くことを告げました。私も仕方なく、翌日の昼休みに勤務先の近くにある老舗の書画用品店に足を運び、義姉のお眼鏡にかなうような立派な水引のついた祝儀袋を買い求めました。
義姉からものすごい剣幕で電話がかかってきたのは、その日の夜でした。
「美香さん、聞いてよ。私もう、呆れ果ててものが言えなくて……」
呆れ果ててものが言えないという割には饒舌な義姉が私に怒りをぶつけてきたのは、案の定、あの義妹のことでした。
聞けば、義妹は甥の合格を知り、送金アプリを使って甥に直接入学祝いを送ってきたのだとか。シンプルなメッセージつきで。しかも、金額はなんと5000円!
「さすがZ世代!」と思いましたが、義姉の目には全てが本家に対するとんでもない非礼と映ったのでしょう。
「入学祝いはちゃんとご祝儀袋に入れて、私たちのところに持ってくるのが筋でしょう? あまりに非常識すぎて何と言ったらいいのか分からないわ」
●この入学祝いバトルの結末と、義妹の行動が家族関係にもたらした衝撃の展開とは? 後編【「二度とうちの敷居をまたぐな」甥の入学祝いで勃発した義姉VS Z世代義妹の対立…前時代的な価値観の名家で続く強権支配】で詳説します。
※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。