これから先ずっと支援するのは難しい…頼れる先はあるのか?

それでも亮子さんは、姉に会うたびに次のようなことを言うそうです。

「先のことは全く考えられない。一日一日を生き抜くのに精一杯。いつ崩れてもおかしくないつり橋を渡っているようだ」

そのたびに、姉はいたたまれない気持ちになってしまいます。

筆者に一通りの報告をし終えた姉は不安を口にしました。

「これから先、ずっと私が妹の生活を支援し続けることは難しいかもしれません。もしそうなったら、どうすればよいのでしょうか」

「そのような場合、障害福祉サービスの家事支援、いわゆるホームヘルプ(居宅介護)を受けることも検討してみましょう。ただし、ホームヘルプを受けるためには事前にサービス利用計画案を作成し、役所へ提出する必要があります。お姉さまが利用計画案を作成するのは大変でしょうから、まずは特定相談支援事業所というところで相談をしましょう。特定相談支援事業所はインターネットで探せますし、役所の障害福祉課でリストをもらうこともできます」

「そのようなものがあるのですね。早速調べておきます」

「亮子さんの支援については、お姉さま一人で抱え込む必要はないと思います。少しずつ外部機関の助けを借りていくことも亮子さんと話し合ってみてください」

「そうですよね。そう言っていただけると心が軽くなります。私一人で支援するのにも限界がありますし。妹にも相談してみます」

姉は少しだけほっとした表情になりました。

※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。