年金は自身の加入期間に応じて計算されることになります。受給できる額を増やそうと年金に加入した結果、自身の年金だけでなく、配偶者の年金が増えるケースもあります。
「年金が少ない」と引き続き増やそうとする夫
夫・宏行さん(仮名、以下同)と妻・智子さんはともに65歳、宏行さんが2024年10月に65歳を迎え、1カ月後の11月に智子さんも65歳を迎えました。2人とも65歳からの老齢基礎年金と老齢厚生年金について、特に繰下げ受給もせず、65歳開始で受給することになりました。宏行さんは年間130万円、智子さんは年間80万円の年金です。
宏行さんは自由な働き方が好きなようで、正社員あるいは非正規社員で会社に勤務したり、個人事業主になったり、仕事を転々とした生き方をしてきました。経験した業種や職種も多岐にわたります
しかし、その影響が年金に出るようになり、現在、生活するのに年金だけではまだまだ足りないと思っています。65歳の前月(2024年9月)までで宏行さんの厚生年金に加入した期間は合計219カ月(18年3カ月)でした。「そんなには長く厚生年金に入ってないんだよな、だから学校卒業から定年まで40年くらい勤めていた友人より年金は少ない」と感じています。
65歳になった宏行さんは59歳の頃から勤め始めた会社に今も引き続き勤めています。「自分にしては長く6年勤めてきたけど、今の会社は少なくとも70歳までは雇ってくれるようだ。引き続き働いて70歳になるまで厚生年金を掛ければ、年金が今の130万円より増えるらしいから頑張ってみようかな」と65歳以降も厚生年金に加入することになりました。一方の智子さんは厚生年金に加入したのは若い頃の数年間のみでした。