第2ステージは約1600万円の赤字に

次に第2ステージ(55〜64歳)の収支を計算しました。すると、3年後に退職するなら、約1600万円の不足が発生する計算になりました。

<第2ステージ(55〜64歳)の総収入と総支出額>

●収入:年収250万円の手取り総額1800万円
 今の会社の退職金 800万円
 現時点の普通預金 500万円

●支出:日常生活費や自動車費用、予備費など総額4680万円

   収入―支出=(1800万円+800万円+500万円)―4680万円=▲1600万円

さすがに1600万円を3年後の退職までに作るのは不可能です。しかし、現在の年収が1100万円ですから、退職時期を約1年半遅らせれば実現可能かもしれません。一方で退職時期を遅らせずに支出を削減する方法もあります。

自動車と趣味の費用節約で退職時期は変えずに済む

たとえば、支出に占める自動車の費用は10年間で約800万円となりました。

自動車は親を病院に連れて行ったり、旅行に行ったりする用途で保有していますが、親には通院時に高齢者のタクシー割引を利用してもらうなどして代替手段を考えても良いでしょう。旅行については「年収が下がるなら旅行は無理ですね、余裕があれば行く程度にします」と現実は厳しいことを実感した様子です。

また、現在の真美さんの趣味はフラワーアレンジメント教室(月額1.5万円)と医療エステ(月3万円)です。年収が下がるなら、高額な趣味と言えるでしょう。

フラワーアレンジメント教室については「この教室、確かに高いんですよ。もう少し安い教室はたくさんあるので、変更します」ときっぱり。医療エステは、現場仕事が多いためシミ・シワ対策で毎月美容外科に通っているそうですが「今の仕事をやめるなら、もう行きません!」と覚悟を決めたようです。

自動車を手放したとしてもカーシェアなどの利用によって費用をゼロにすることはできないかもしれませんが、自動車費用と趣味節約を実行すれば1年分の年収に相当する金額のため、3年後の転職も可能かもしれません。

むしろ一番大切なのは、収入に合わせた生活をすることです。いくら不足額を準備できたとしても、収支が不釣り合いな生活を送っていると資金がショートする不安が常につきまといます。

真美さんの場合、普段は倹約されていますから、自動車がない生活や趣味ランクをどこまで落とせるかがポイントとなりそうです。今からその生活を試してみてもいいかもしれません。