マウント気質の同級生とのトラブル

それ以上に厄介だったのが会場選びです。

実家に帰るのは年2回、盆と正月くらいで地元の事情に詳しくなかったため、梓に問い合わせたら、「飲食店情報は香織が詳しいから、香織に聞いてみるといいよ」と香織の連絡先が送られてきました。

香織は地元で幅を利かせている建設会社の娘で、中学時代はクラスの女王様的な存在でした。私はなまじ成績が良かったせいで香織から敵視され、何度も嫌がらせをされたり、陰口をたたかれたりしました。

そんな経緯もあって香織に連絡するのは気が引けましたが、時間も迫っているし万一予約が取れなかったら大変なことになるとしぶしぶ受話器を取りました。

香織は相変わらずの女王様気質で、久しぶりに話をしても言葉の端々にマウントを取ってやろうという意識が見え隠れし、何とも嫌な気分になりました。

それでも私がひたすら下手に出たのが奏功したのか、20~30人が参加できそうな会場候補を幾つか紹介してくれることになりました。

翌日にはお店のリストを送ってくれたのですが、店名と電話番号だけのシンプルなもの。仕方なく一軒一軒ネットで情報を拾ってコストや使い勝手のよさで優先順位をつけました。念のため、香織にも意見を聞こうと更新したリストを送ると、いきなり電話がかかってきて、私が優先順位を高くしたお店にケチをつけ始めました。

「じゃあ、香織はどこがいいと思うの?」と尋ねると、「考え直してリストを送る」と返されました。なのに、それから1週間待っても何の音沙汰もありません。

何度かメールで催促したり電話をかけたりしたのですが返事がなかったので、やむなく自力で店探しをして、なんとか予約までこぎつけました。

その時点で既に9月下旬。慌てて一斉メールで同窓会の通知を送ると、突然、香織から電話がかかってきました。

「あんた、何勝手なことしてんのよ! 店は私が決めて予約までしてやったのに」

いきなり怒鳴りつけられても、「は?」という感じです。「そもそも、決まったのなら私にまず連絡するのが筋では?」という言葉をぐっとのみ込みました。

香織の顔を立てて香織が予約したイタリアンレストランを利用することにし、お店と交渉して当日は参加者20人分の料理にフリードリンクで1人1万円の価格設定でお願いすることになりました。

リスケをした後、参加予定者にはクラス会の通知を送り直しました。慣れない幹事役でしたが「ここまでくれば」とほっと胸をなでおろしました。

しかし、最大のトラブルは実はその後、クラス会当日に待ち受けていたのです。

●苦労してなんとかクラス会開催にこぎつけた友里さん。ところが当日に最大の修羅場を迎えます。後編【苦労して開いた同窓会が“大修羅場”に…すべての負担を押し付けられた幹事女性の「怒りと後悔」】で詳説します。

※個人が特定されないよう事例を一部変更、再構成しています。