同窓会幹事を依頼され、しぶしぶ引き受けることに

話の流れで梓から「コロナも落ち着いてきたし、10月に3組の皆でクラス会やろうって話が出ているんだけど、友里に幹事をお願いできないかな?」と申し出があった時は正直、「面倒くさいな」と思いました。

とはいえ梓にしてみればそれこそがわざわざ電話をかけてきた目的であり、すかさず、「友里はクラスの人気者だったし、友里が幹事だったら男子も女子も参加者が増えると思うんだよね。お願い!」とプッシュしてきました。

そこまで言われるとむげに断るわけにもいかず、「地元にいるわけじゃないし、大したことはできないかもしれないけれど、私で良ければ」と引き受けることにしたのです。

梓はその時こそ「私は地元組だから、できる限りサポートするよ」と言ってくれましたが、後で思えば単なるリップサービスに過ぎませんでした。

同級生への連絡にもひと苦労

梓の電話の翌日、前の幹事だったという水野君から3組のメンバーの連絡先が送られてきました。3組は男女合わせて39人でした。しかし、リストを精査すると、連絡先が分かっているのは半数にも満たない15人程度です。

水野君に、「連絡先が分からない人にも当たった方がいいのかな?」とメールを送ると、「そうしてもらえると助かる」という返信が戻ってきました。

そこからがひと苦労でした。全く心当たりがない同級生は実家に直接電話をかけましたが、「中学校で同級生だった者です」と言って連絡先を教えてもらえたのは10件足らず。中には、認知機能に問題がある親が出てきて全く話が通じないケースもあれば、とうの昔に引っ越していて、別人の電話番号になっていたケースもありました。

まさに「労多くして功少なし」で、「私の貴重な時間と電話代を返してよ」という思いでした。