大金と引き換えに失ったのは「仕事への意欲」

なんともうらやましい話ですが、吉岡さんは働くモチベーションを保てないことに悩んでおり、退職も視野に入れていると言います。一方で、この生活水準のまま仕事を辞めてしまって本当に大丈夫だろうか? という不安もあるようです。

吉岡さん自身も「退職して、お金がなくなったとしてもぜいたくしなければいいだけのことですよね? 外食1回10万なんて高すぎだと分かっています。家族4人2万円あれば十分おいしいものが食べられますから」と、ぜいたくしている自覚がありました。

その後、退職した場合も含めてキャッシュフローを作成。100歳までの収支をシミュレーションしたところ、もちろん問題ありません。終始黒字です。仕事はやめても金銭的には問題なさそうでしたが、ただ、それで吉岡さんが幸せになるのかは分かりません。

人は人の役に立つことで幸せを感じるようです。少なくとも仕事をすることで人の役に立てます。筆者は吉岡さんと趣味やお子さんの話をしながら、仕事をやめるのなら、それ以外でも何か生きがいを見いだしてほしいとお伝えしました。

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