<前編のあらすじ>
年収800万円の会社員・誠さん(仮名)と年収400万円の妻・みなみさん(仮名)は、46歳にして2800万円の運用資産を持ちながらも、お金を使うことに不安を抱えています。
「老後のためにいくら貯めれば良いでしょうか」と相談する誠さんの心には、これ以上の節約が本当に必要なのかという葛藤がありました。
●前編:【「怖くてお金を使えない」1500円のうどんに葛藤…月17万円積立・資産2800万円の夫婦が陥った“堅実ゆえ”の悩み】
老後は1200万円あれば充分という結果に
老後資金がいくら必要かは、多くの人が分からないままです。なぜなら、これは一見簡単なようで実はとても複雑な計算が必要だからです。
私自身、誠さん夫婦の老後のための必要な積立額を計算しましたが、その際、夫婦の年金額を予想し、老後の生活費、家のメンテナンス費用、車の維持費、エコキュートや家電買い替え費用、レジャー費、医療費、介護費などを計算し、さらに退職金や個人年金、iDeCoなどあらゆる支出と収入を洗い出して計算し、ようやく答えを出しました。
これら数字は人によって全く異なるため老後必要額は自分自身の状況から計算するしかありません。しかし、この計算が困難なため、老後資金がいくら必要か分からない人が多いのです。
筆者が計算したところ、誠さん夫婦の場合、老後資金はあと1200万円あれば良いことが分かりました。老後の収入が年金だけだと3000万円不足しますが、夫婦でiDeCo を積み立てており、このまま積立運用を続ければ1人700万円ほどになりそうです。また、みなみさんが個人年金に加入しており、合計400万円を受け取れると予想できるため、不足額は3000万円− (iDeCo700万円×2人分+個人年金400万円)=1200万円ということが分かりました。