母親の強い意思で進路を決めた女性

日本では女性の高学歴化が進んでいます。戦後80年を経た現在、女性の大学進学率は1990年代以降50%を超えるようになりました。その背景には、少子化で親が子どもにかけられるお金が増えたことも影響しています。進学を願う子ども、それを支援する親。理想的な関係がある一方で、母親の強い意志に導かれるように進路を決めた女性たちもいます。今回はその一人の女性の話です。

「娘には悔しい思いはさせたくない」

娘の進学に特に熱心なのは母親です。60代後半以上の世代の女性たちは、かつて「女性は25歳までに結婚しないとクリスマスケーキと同じように売れ残る」と散々言われ、進学を諦めることも多くありました。

「娘には悔しい思いはさせたくない」。そんな時代を生きてきた女性は、娘が生まれたら自分と同じような悔しい思いをさせたくないと、娘の進学を後押ししてきました。

ある日、結婚相談所に鈴木美智子さん(仮名・40歳)の母親も、そんな中の一人でした。

医師の美智子さん自身はまだまだ仕事が忙しくて、結婚はまだ先でもいいと思っていたようです。一方で母親は娘の結婚を心配しています。娘は結婚のタイミングを逃してしまったと、自分たちではどうしたら良いのかわからずに、結婚相談所に相談に来られたのです。