毎月300万円が余裕資金になっても喜べない心理
現在の資産が2800万円ありますから、1200万円の老後資金は準備できていることになります。ただ、老後までに大型支出があります。これから車の買い替えや外壁の塗り替えも発生するだろうとのことです。
仮にこれら費用を500万円と見積もったとしても、今ある資産2800万円で充分カバーできます。つまり、65歳まで働き続ける限り、今の資産で今後の人生の支出をカバーでき、今後の積み立ては不要、年間300万円の積み立て投資分がすべて余裕資金になるのです。
しかし、誠さん夫婦は「もう積み立ては不要」と言われても、全くうれしそうではありません。当然です。長年節約してきた人にとっては、積み立てをしない方がむしろ不安です。それに年間300万円お金が余ると言われても、その全額を使うのは、怖いとすら感じます。支出できたとしてもせいぜい30万円ほどでしょう。
それに、今後、予想外の支出が発生するかもしれません。そこで、子どもに結婚祝いをあげたら? お風呂とキッチンと床をリフォームしたら? 3年早く仕事を辞めたら? と仮定し、支出が4000万円増えるケースも試算しました。ちょっと増やしすぎのような気もしますが、将来は何が起こるか分かりません。そうすると、今度は不足額が5500万円になりました。
大型支出分を除く現在の資産額は2300万円ですから2300万円の資産を元手に60歳までに5500万円作るとすると、利回り3%なら毎月約10万円積み立てれば良いということになります。現在の積立額は毎月17万円、これに、ボーナス時に100万円上乗せ投資していますから、積み立てすぎということが分かります。積立額を減らしても良いのですが、おそらく積立額を大きく減らすことに抵抗があるはずです。そこで、筆者は、毎月の積み立ては継続し、ボーナス時の100万円を余裕資金と考えてはどうかと提案しました。
例えば100万円のうち50万円はお城めぐり費用、残りの50万円は、毎月にならして4万円余裕資金とみなしてはどうかという提案です。