大金を手にしてガラリと変わった生活水準

相続財産2億円の内訳は、約5000万円が株式、1億5000万円が投資信託です。これだけの財産があれば、使ってもなかなか減らないだろうと思います。実際、収支を確かめてみると吉岡さんはしっかり“浪費”をしていました。

例えば、中学生と高校生のお子さん2人と妻の4人の家族で外食に行くと、回らないお寿司で1回10万円は普通のこと。3泊4日の京都旅行ではまさかの90万円も使ったと言います。さらに、今年は豪華なグアム旅行も予定しているようで、予算はなんと400万円……! このぜいたくぶりから分かる通り、普段の生活においても惜しみなくお金を使っていました。

「使っても減らない資産」のカラクリ

吉岡さんの生活は、相続前はごく一般的な水準でした。吉岡さん自身も毎月コツコツ投資信託を積み立てして老後に備えていました。しかし相続後、使っても減らない資産を見てお金の使い方が大きく変わったようです。

これら娯楽費の資金源は、相続した株の配当金や投資信託の取り崩しです。「使っても減らない」とはどういうこと? と思われるかもしれませんが、株式からは毎年約3%、150万円ほどの配当金が入り、他方、投資信託は運用で増えていきます。一定の資金を引き出したとしてもむしろ増えていくと言うわけです。

吉岡さんの場合、昨年は400万円取り崩したそうですが、それでも去年より1割ぐらい増えていたようです。1億5000万円の1割ですから1500万円。400万円取り崩したところで資産が減らないのは当然でしょう。