墓じまいを選択

「そんなお寺は放っておけばいい、お母さんのお骨も納骨しないで自宅で一緒にいたらいいよ」と義父に言われた春日さんは、「育ての祖父母と一緒のお墓に入ることを何より望んでいた母は、本来ならすぐに一緒になれる予定だったのに……。このまま自宅にお骨を1人で置いておくなんて母がかわいそう」という母親を哀れむ気持ちと、義父に対する苦悶がうまれた。そして「来春の復職までにはすべてすっきりさせたい」という焦りもあった。

春日さんは夫と話し合い、検討した結果、A寺の育ての祖父母の墓を墓じまいして新たに共同墓地を契約し、母親の遺骨と一緒に納骨することにした。

「母は、育ての祖父母と一緒になれるのであればお寺にこだわりはありません。新たに契約した共同墓地は、いずれ義父母も入る予定のお墓で、夫も私も入ることになります。娘も私と同じ一人娘なので、将来、あまり負担をかけなくて済むお墓を選びました」

●ところが墓じまいもスムーズには進まなかった……。後編【「墓じまい」を依頼した女性が唖然! 終活業界の“時代錯誤”なローカルルール】で詳説します。