両親の健康状態

東北地方在住の春日暁美さん(30代・既婚)の両親は、父親が36歳、母親が31歳のときに社内結婚し、3年後に春日さんが生まれた。

アクティブで情に厚く、穏やかな性格の父親は大のお酒好き。家で宴会を開くことがよくあったが、母親は持ち前の明るさやコミュ力で、いやな顔ひとつせずもてなしていた。

「一人っ子の私には反抗期もなく、仲が良い家族でした。ただ、酔っ払って何度も同じことを言う父は、幼い頃から大嫌いでした。暴力などはありませんでしたが、父の泥酔した姿は今でもトラウマです」

やがて春日さんは大学を卒業すると、教育系の会社に就職。

その頃56歳だった母親は、友人に誘われて健康診断を受けると、乳がんが見つかり、手術を受けた。幸い全摘出にはならず、抗がん剤や放射線治療もせずに済んだ。

2016年11月。65歳で定年を迎え、嘱託雇用で働いていた68歳の父親も、健康診断でがんが見つかった。すぐに抗がん剤治療を開始し、翌年1月には腫瘍を取り除く手術を受けた。

父親の入院中、63歳の母親は、父親の物忘れがひどくなってきていることを心配し、主治医に相談。脳神経外内科を勧められ受診すると、初期のアルツハイマー型認知症との診断がおりる。以降、3カ月に1度定期的に受診することとなった。