離婚後の生活設計をイメージする
筆者は、離婚しても1人で生きていけるかを見極めるために、キャッシュフロー表※を作成しています。細かなお金の話をすることで、意識していなかった支出が数字になって現れ、離婚後のお金の現実を見ることができます。
※キャッシュフロー表とは、一定期間(一般的には1年単位)の家計の全収入と全支出から、増減する貯蓄残高を把握し、老後など将来の資金シミュレーションのために用いられる。
支出「1人なら生活費もそれほどかからない」だと甘い!?
自分1人なら生活費は、それほどかからないと思っている人は多いのですが、支出を確認していくと、想像以上にお金がかかることに気づくケースも多いものです。郁美さんもそのパターンで、生命保険料や医療費、今は夫が負担している光熱費や自宅の通信費など、あらためて支出を1人で負担する大変さを感じたようです。ただ、働いている間は“足が出る”ことはなさそうです。
そうはいっても、働いている間にも“不測の事態”はありえることは念頭に置いてほしいところです。例えば、お子さんの大学の学費は準備済みとはいえ、準備額以上の学費が発生すると、郁美さんには負担する余裕はありません。したがって、予想以上に学費がかかった場合は、夫や子ども自身に負担してもらうなど対応を考えておく必要はあるでしょう。
ただ、さらに重要なのは、郁美さんご自身も今回の相談のポイントに置いている、定年を迎えた後の収支です。後編で解説していきます。