65歳になると年金は増える? 減る?

それから現在に至るまでの9年間、会社の経営も順調に進んでいました。夫の存命中はパートの仕事だった芙美子さんも現在は役員としての役目を果たせて満足しています。

社長として一人前になっている一方、この9年の間に結婚して家庭のことにも追われる健太さん。それを見て、芙美子さんはできる限り役員の仕事を続けようと思います。

64歳の芙美子さんは65歳も近づく中、年金のことが気になります。「今受け取っている遺族厚生年金(寡婦加算込み)は年間165万円程度。年金は65歳が節目になって今と変わるのかな?」と疑問が生じ、再び年金事務所へ行くことになります。

窓口に着くと早速、「65歳以降、同じ役員報酬のまま役員を続けても、年金は調整されず今までのように受け取れるということでいいですか?」と職員に確認します。しかし、職員は「今のままですと、65歳以降は芙美子さんの受け取る年金が減ることになります」と回答します。

65歳になると受け取る年金が減ってしまうのはなぜでしょうか。

●役員として働き続けることで年金が減ってしまう理由とは? 後編【65歳から年金が28万円減るなんて…高収入役員の女性が知らなかった“遺族厚生年金と老齢厚生年の併給”で起きること】では、遺族年金受給者が直面する65歳の壁について詳しく解説します。

※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。