ハラスメント調査に乗り出す企業
松下さんのケースのように、これまで見過ごされてきた問題が、退職代行を介することで明るみに出る例は他にも多々あります。実際、人事担当者から以下のような報告を受けています。
「園長が変わってから、職員の退職が続いていました。調査の結果、園長は職員が妊娠すると『あの人は仕事よりも家庭をとった』と発言したり、『この子は将来ブスになりそうよね?』と園児の容姿を揶揄するように職員たちに強制していました」
「研修担当者が体質をいじる発言をしていました。多汗症の方に『お前、薬物でもやっているのか』『オーバードーズか?』と発言。昼食を買いに行いかせていたが、代金を払っていなかったことも確認されました」
「出張先で上司と同じダブルベッドの部屋に宿泊予約させられそうになったケースが発覚しました。ほかに部下のタイムカードを無断で打刻し、“残業ゼロ達成”で表彰を受けたり、辞めていった人の退職理由を『メンタルが弱い』『家庭の事情』と勝手に改ざんしていたりしていました」