キャリア教育が見落としているもの
2025年度新卒からすでに1100人以上の依頼がありました。退職は自分から申し出る人のほうが多いのですから、実際に退職した人はもっと大きな数になるでしょう。
受け入れ先の会社だけでなく、送り出す側の大学や専門学校側も退職者の多さに危機感を覚えています。そのため、最近は「退職代行側から見た、いい会社とそうでない会社の見分け方を教えてほしい」と学校から講演依頼が急増しています。
そこで感じたのは学校のキャリア教育は、「どうすれば会社に選んでもらえるか」の視点に偏っているのではないかということです。「ブラック企業の見分け方」や「労働者がどのような権利で守られているのか」を話すと、みなさん「誰も教えてくれなかった」「もっと早く知りたかった」と前のめりで聞いてくれます。
そして、退職代行の社会的認知度が高まるにつれ、会社側の対応も変わってきています。「退職代行を使われた!」と驚いたり、怒ったりするのではなく、退職代行を使わざるをえない状況にまで何が社員を追い込んむのか真剣に向き合うようになっています。