エンディングノート記入で思わぬ気付きも
田中さんは断捨離の他、市役所でもらったエンディングノートの記入を進めているそうです。
「延命治療はいらないとか、亡くなった時誰に連絡してほしいかとか。あとはスマホや通帳の暗証番号、保険や貯金の内訳、葬儀の内容、マンションの処分方法など。細かいことも忘れずに書くようにしています」
一般的に終活やエンディングノートと言えば、人生の終わりを想起させる暗いイメージがあるかもしれません。しかし田中さんにとっては違いました。
「人生最期のことを考えてエンディングノートに書いていると、かえって元気に長生きできるような気がします」
終活は残された時間をより充実させるきっかけにもなるのです。
「世の中のためになりたい」と申し込んだ手続きは…
そして田中さんの終活には社会貢献への思いも込められています。
「亡くなった後に世の中のためになりたいので、大学医学部に献体の申し込み手続きをしています。通夜・葬儀は行わず直葬でと思っていましたが、甥や姪は『寂しいから』と無宗教の家族葬をしてくれると言っています」
葬儀後は大学医学部で研究や教育に役立てられ、1~2年後に遺骨となって戻ってきたら、実家のお墓に入れてもらう予定なのだそうです。
●着々と終活を進めている田中さんですが、残された時間をどのように過ごそうと考えているのでしょうか? 後編【「ひとさまに迷惑をかけそうになったらその時は…」定年を迎えたおひとりさま男性が描く理想の老後の過ごし方】でお届けします。